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たくさんのご応募ありがとうございました。
―オレンジイノベーション・
アワードとは―
日本では、認知症及びMCI(軽度認知障害)の人の数は、
2040年には合計約1,200万人(認知症約584万人、MCI約613万人)に達し、
65歳以上の高齢者の約3.3人に1人を占めると言われています。
誰でも認知症になりうる時代。
製品やサービスは認知症の人を含めた使う人のことを考えて、
使う人と「ともに」つくられるべきではないでしょうか。
オレンジイノベーション・アワードでは、
認知症の人との共創のプロセスを重視し、そのプロセスや仕組み自体と、
そのような過程を経てつくられたユーザーフレンドリーな製品やサービスを表彰していきます。
認知症であっても安心して、自分らしく暮らせる社会。
それは、認知症でない人にとっても生きやすい社会です。
オレンジイノベーション・アワードは、そんな社会の実現を目指します。
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主催
認知症イノベーションアライアンスワーキンググループ事務局(経済産業省)
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目的
認知症の人の生活課題解決や、やりたいことの実現の助けとなる製品・サービスの開発が様々な業界・領域にて推進され、「当事者参画型開発」の認知が拡がり、共生社会が実現されることを目指し、当事者参画型開発に取組む企業・団体等を表彰します。
※「当事者参画型開発」について、こちらもご参照ください。 -
賞の種類
最優秀賞(1組) ・ 優秀賞(2組程度) ・ 特別賞(3組程度)
・受賞者については、経済産業省ホームページや本サイトなどで、企業・団体等の名称や取組事例を広く公表します。
・受賞企業等は、オレンジイノベーション・アワードロゴを企業PRなどに活用できます。
・表彰式で表彰します。
・新聞、テレビ等メディアからの取材にご協力をお願いすることがあります。
実施スケジュール
募集期間: | 2024年11月26日(火)~2024年12月26日(木) 正午 |
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結果発表: | 2025年2月中旬 応募時にいただいたメールアドレスにご連絡いたします。 |
表彰式 : | 2025年3月5日(水) |
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募集対象・対象となる取組
認知症の人との共創のプロセスを重視して開発されたユーザーフレンドリーな製品やサービス。 また、製品やサービスが市場導入前の段階であっても、当事者参画型開発の中で実践されている活動・取組自体も募集対象とします。
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応募資格
日本国内に拠点を置く企業・団体等。
但し、公序良俗に反する等、社会通念上不適切な事業者、団体は除きます。 -
評価項目
以下のような視点に基づいて総合的に評価します。
- ①認知症の人の視点・意見が反映されているか
- ②独自性・独創性があるか
- ③認知症の人を含めた生活者のQOL向上にどれだけ寄与するか・期待されるか
- ④認知症の人を含めた生活者に対し、広く薦め普及させていきたいと思うか
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応募締切
2024年12月26日(木) 正午 まで
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応募方法
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①所定の応募シート(Microsoft PowerPointあるいは Word形式)をダウンロードし、応募シートの記入欄をもれなく記入してください。ファイル容量は90MB以下とします。
■応募シート(Microsoft PowerPoint 156KB)
■応募シート(Microsoft Word 49KB)Microsoft PowerPointとMicrosoft Wordは同じ書類です。
どちらか一つを選んでご記入ください。 -
②以下応募フォームより、必要情報の入力と応募シートを添付の上、ご応募ください。
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応募に際しての同意
- 提出された応募書類等は返却致しません。
- 提出された応募書類等に不備がある場合、審査対象から除外する場合があります。
- 審査の内容はいかなる場合においても不開示といたします。
- 審査の過程において、必要に応じて追加資料・製品サンプル等の提出や内容の照会をする場合があります。製品サンプル等の提出を依頼させていただく場合、2025年1月中旬ごろにご連絡させていただきます。依頼から提出まで1週間程度の短期対応が予想されますので、予めご了承ください。事務局より連絡があった際には、速やかに提出のご協力をお願いします。
- 応募要項に記載された応募要件に反する場合、応募内容に虚偽がある場合、重大な法令違反や行政処分などが発覚した場合には、応募の受理や受賞を取り消す場合があります。
- 受賞者には受賞発表後、紹介用写真の提供、表彰式への登壇、本賞の広報・PR 等へのご協 力をいただきます。
- 応募書類等ならびに応募・審査の過程で提供を受けた各情報は、オレンジイノベーション・アワード2024に係る募集・審査・表彰の目的で事務局が使用するほか、審査関係者に限り提供する場合があります。
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東京大学大学院
教授
岩坪 威 -
issue+design
代表
筧 裕介 -
フリーキャスター・
介護福祉士駒村 多恵
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株式会社博報堂
チーフビジネスプロデューサー
根本 豊 -
一般社団法人
日本認知症本人ワーキンググループ代表理事
藤田 和子 -
慶應義塾大学大学院教授・
認知症未来共創ハブ代表堀田 聰子
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かながわオレンジ大使
(認知症本人大使)
前田 博樹 -
DAYS BLG!はちおうじ
代表
守谷 卓也 -
一般社団法人
セカンド・ストーリー代表理事
山中 しのぶ -
公益社団法人
認知症の人と家族の会理事
和田 誠
2025年3月5日に「オレンジイノベーション・アワード2024」
表彰式が行われました。
当日、受賞企業への表彰を竹内 真二経済産業大臣政務官と、
今回審査員を務めたフリーキャスター・介護福祉士である駒村 多恵さんより執り行いました。
そして審査員代表として東京大学大学院 岩坪 威教授より審査総評をいただきました。

豊島株式会社 尾堂さん、リンナイ株式会社 赤木さん、フリーキャスター駒村さん
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YKK株式会社
製品・サービス概要
誰でも開け閉めがしやすいファスナー
(①click-TRAK® Magnetic ②挿入補助パーツ/スライダー
③ユニバーサル引手)YKK株式会社は、自社の製品・技術が認知症の方の日々の暮らしでのストレスを少しでも軽減できればと、「誰でも開け閉めしやすいファスナー」の実現に向け、デイサービス、グループホーム、本人ミーティング等と連携し、30名以上の認知症の人とともに開発活動を実施中。小さなファスニング商品で、誰もが暮らしやすい社会づくりの一助になれるよう活動中。
審査員コメント
認知症の人の声をもとに多世代への展開を目指している点や、複数の試作品を準備して多様な当事者とともに開発を進めている点等が評価されました。
企業リンク:https://www.ykk.com/
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豊島株式会社
製品・サービス概要
医療機関と連携した認知症当事者の方にも優しい衣料品の開発
豊島株式会社は、当事者の方からいただいた意⾒を反映したサンプルを作成、フィードバック、改修のフローを複数回繰り返し、より当事者にとって使いやすく、また着⽤することで気持ちが明るく豊かになる「認知症当事者の方にも優しい衣料品」の開発を実施中。
受賞コメント|尾堂 望夢さん
この度優秀賞を受賞させて頂きまして、誠にありがとうございます。大変光栄でございます。
今年度主に東京医科大学の認茶屋さんに1番多く参加させて頂き実践を行ってきました。
当事者の方々の中にはご自身が認知症であるということを周りの方に知られたくない・伝えていないという方も多くいらっしゃるので我々が開発した商品を市場に出す際に、「認知症の方に向けた商品」とするのではなく、「どんな方にも使いやすい商品」とするなどの心配りが必要と感じています。
商品開発して参りまして、まだスタートラインに立った段階だと思っております。
ヒアリングを進めている中で皆様とお話ししていると、当事者の方を始めとした高齢者の皆様が買い物へいくということに対して消極的になっている現状もございます。
事業としてマネタイズしていくことが目標であり、今後小売様を巻き込み消費者(当事者)が欲しい商品を容易に入手できる環境を整備することが我々の役割と思っております。
高齢者ならびに認知症当事者の方々へ使いやすく優しく欲しいと思って頂ける商品開発、売り場構築へ向けて来年度以降も引き続き取り組んでいきたいと思います。審査員コメント
認知症の人や専門職等の声をもとに機能やデザインの設計を丁寧に実施している点や、斜めのボタンホールをはじめとした工夫を盛り込んでいる点等が評価されました。
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KAERU株式会社
製品・サービス概要
安心安全、おつりの計算いらずでお買いものを楽しめる
キャッシュレスサービス『KAERU』KAERU株式会社は、認知症の人の声をもとにUI・UXの設計を行った、安心安全、おつりの計算いらずでお買いものを楽しめるキャッシュレ決済サービス「KAERU」を展開中。
受賞コメント|福田 勝彦さん
このような栄誉ある賞をいただき、誠にありがとうございます。受賞できたことを大変光栄に思います。
私達のサービスをともに作り上げることにご協力いただいたみなさま、そのプロセスを支援くださった事務局のみなさま、本当に心より感謝申し上げます。
今回受賞したプロダクト「KAERU」は、スマートフォンとプリペイドカードを組み合わせたキャッシュレス決済サービスであり、認知力に不安のある方でも安心してご利用いただける各種機能がついております。
スマホが得意な方はご自身でスマホ操作も、スマホが苦手な方に関してはご家族などに代わりに各種設定をお願いすることもできます。
キャッシュレスというと難しそう、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるかもしれません。
当事者の方々へのインタビューを通じて、お支払いをするという場面を想像しますと、実は現金の方が難しい行動を強いられている、ということがわかってきました。
支払うべき金額を理解して、必要なお金をお財布から取り出して渡し、お釣りをもらって、しまう、という一連の流れは、キャッシュレスでスマートに代替することが可能です。
我々の実際のご利用者さまのお声として、以前はレジでもたついてしまって買い物に行きたくないと思っていらっしゃったそうです。KAERUを利用するようになってからまたお買いものの楽しみを取り戻せたというお声を聞くことができ、私は大変感激いたしました。
プロダクトを開発するに当たり、お客さまの声を聞くことや利用いただいてフィードバックをもらうということは極めて一般的なことだと思っております。
オレンジイノベーションプロジェクトの取組みが普及することによって、認知症のある方にも参画いただきながらプロダクト開発をすることが、それってごくごく当たり前だよね、というようになっていくことを願っております。
プロダクト改善に終わりはありません。
これからもより便利でより安心に使っていただけるサービスとなるよう引き続き頑張ってまいりますので、応援いただけますと幸いです。審査員コメント
認知症の人の生活においても重要な金銭管理に着目し、本人が自分で使い続けることを目指した点等が評価されました。
企業リンク:https://kaeru-inc.co.jp/
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リンナイ株式会社
製品・サービス概要
高齢者に「使いやすさと安心」を提供する
ガスコンロ『SAFULL+』リンナイ株式会社は、「使いやすさと安心」を提供するガスコンロ『SAFULL+』を展開。当事者の「慣れたガスで料理がしたい」という声がある一方、家族からガスコンロでの調理は危険と判断される等、料理をすることをやめさせられている実情がある中で、そういった状況を改善するために安全性や認知への配慮をする商品を目指し開発を行った。
受賞コメント|赤木 万之さん
この度はこのような映えある賞を頂戴し、誠に光栄に思います。 この製品を立ち上げるにあたり、多くの方々の協力があり、このような名誉ある賞をいただくことができました。
福岡市様、西部ガス様におかれましては、「今後も使い慣れたガスの炎で大好きな料理を作りたい」という思いを反映できないかと弊社にお声がけいただき、我々に社会課題解決に加え、お客様と真に向き合った製品開発を行う機会を与えて頂いたことに感謝いたします。
さて、いざ開発を進めようとした際に、我々には認知症当事者にとって使いやすいものとはという知見がございませんでした。その穴を株式会社メディヴァ様がお持ちの幅広い知見でサポートいただき、またARディバイスで我々も実際に認知症の視覚症状を体験することでお客様の立場に立つことができました。
そして製品が本当にお客様にとって使いやすいものなのか検証するために、4度に渡り認知症当事者の方々にモニタリング調査を行い、お客様の行動だけでなく、その行動の裏にある思いを汲み取り、課題点を一つ一つ修正してまいりました。 皆さんの協力をもとに昨年2月に販売を開始し、数ヶ月した頃にお客様から「こんな製品が欲しかった」という感謝のお手紙が弊社本社に届きました。
我々メーカーは製品、サービスを開発、製造してお客様に物を届けています。今回の取り組みで当事者の方の思いを理解し、その思いを製品に落とし込み、物だけでなく、思いも届けることが出来たことを開発メンバー一同ありがたく思いました。
今回の取り組みを通し、お客様の思い、もしかしたら諦めていたやりたいことを実現することの重要性を改めて思い知ることができました。
これからも多様化する価値観、人々の思いに対し、真摯に向き合い、一人ひとりの思いを実現する製品開発に尽力していきたいと思います。
そして今回のこのような素晴らしい賞を新設していただき、受賞いただいたことは、携わったエンジニアにとって大きな励みになります。ありがとうございます。
この励みが弊社だけでなく多く会社での取組を加速することになり、ユーザーフレンドリーな製品が世の中に溢れ、一人一人のクオリティオブライフがより良くなることを祈念しておりますし、我々もその一助を担えるよう頑張ってまいります。審査員コメント
開発プロセスにおいて、認知症の人に実際に製品を使い料理をしてもらったりするなど、認知症の人の視点や意見が大いに反映されていることが審査員から高く評価されました。
「オレンジイノベーション・アワード」事務局
info@orange-innovation-award2024.jp
受賞コメント|西田 知可さん
この度は「オレンジイノベーション・アワード2024 最優秀賞」を受賞させていただき、大変光栄に思います。このような素晴らしい賞をいただけたのは、ご参加頂いたたくさんの当事者の方々と関係者の皆様、また、事務局の方々のご支援のおかげと思っております。ありがとうございました。
オレンジイノベーション・プロジェクトに参画したきっかけは、昨年度の「当事者発信」の取組で「開けやすいファスナー」に期待する声があり、弊社HPを通じて、本プロジェクト参画の打診を頂いたことがきっかけでした。弊社の製品・技術が、少しでも認知症の方々の日々の暮らしの中に役立つことを、当事者の方々と一緒に考えたいと思い応募させて頂きました。
今回当事者の方と開発を検討したいと考えたアイテムは、3つの既存商品がベースとなっています。1つ目は『click-TRAK® Magnetic』と言って、マグネットの磁力により開具が引き合うファスナーで、左右の開具にマグネットが内蔵されており、マグネットの引き合う力で開具が簡単に組み合うアイテムです。2つ目は、『挿入補助パーツ』と言って後付けができる樹脂パーツをつけることにより挿入を補助し、操作性を向上させるアイテムです。3つ目は『誰でも開け閉めがしやすいユニバーサルデザインの引手』です。
また、当事者の方と一緒に取り組む際に工夫した点は、限られた時間で的確なフィードバックをいただくことでした。症状や参加人数が毎回異なる中で、どのような時間配分でどのようなアプローチなら効率よく意見交換ができるか、次の開発につなげられるか、関係者でよく議論しました。そして、私たちは次の訪問までに日がある場合は、出来るだけ前回いただいた意見を反映した試作品を作り持っていくことを繰り返しました。常に改良した試作品を持って次の訪問先に持っていくことこそが、当事者との皆様と開発しているということと考えますので、その点がアワードで評価いただいたポイントの1つだったのではないかと考えております。
これまでの皆様のご協力、誠にありがとうございました。